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人工足関節のリハビリテーションとは?正しい手順と注意点を徹底解説!

人工関節置換術で最も症例が多いのは膝関節ですが、足関節の人工関節置換術は対応している医療機関が少ないのが現状です。しかし高齢化にともなって変形性関節症は増加しており、足関節も例外ではないため強い痛みや歩行障害に悩む患者様も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では足関節の人工関節置換術について、そして術後のリハビリテーションや注意点に関してご紹介します。

足関節の人工関節とは

足の人工関節は、変形性足関節症や関節リウマチによって生じた痛みや歩行状態の低下をきたした方に適応される医療技術です。そもそも足関節は脛骨と距骨、そして腓骨と呼ばれる3つの骨で構築されており、なかでも距骨・脛骨間の関節変形が多くみられます。

さまざまな原因で変形した足関節に金属やセラミック、ポリエチレンなどの素材でつくられた人工関節を置換する手術を人工足関節置換術といいます。そして人工関節は脛骨側に固定する脛骨コンポーネントと、距骨側に固定する距骨コンポーネントの2つに分かれます。

固定する骨の状態に応じて骨セメントを使い、より確実に人工関節を固定する場合もあります。人工足関節によって最も期待できるメリットとしては痛みの緩和、次いで変形してしまった足関節の矯正です。

長年の負担によって変形した関節は姿勢にも影響を及ぼす場合がありますが、人工足関節置換術によって足関節が正しい位置に戻るため姿勢の改善も見込めます。手術時間は2時間ほどであり、手術の種類や状態に応じて術後にギプス固定する場合があります。

手術後の経過とリハビリテーション

個人の状態によって多少の差はありますが人工足関節の手術後は通常、2〜3週間ほどの入院期間を経て退院する流れとなっています。リハビリは基本的に手術翌日から開始しますが、ギブス固定の有無に関わらず体重をかけない免荷状態でおこないます。

内容としては手術部以外のトレーニングをおこない筋力低下を予防することや、松葉杖での歩行練習が中心です。そして術後2週間になるとギプスが外れるため、足関節を動かすストレッチや運動、体重をかけた歩行訓練を開始します。

徐々に荷重量を増やしていき、退院日には杖を使って歩ける状態になるよう目標設定をおこないリハビリテーションを進めます。リハビリテーションや入院生活のなかで自宅での日常生活の注意点や、自宅で実施できるセルフトレーニングについて説明するため、準備をおこなったうえでの自宅退院が可能です。

自分で出来るリハビリ

退院後、外来通院でのリハビリテーションがありますが、セルフトレーニングも重要となるのでぜひおこないましょう。推奨するトレーニング内容は次のとおりです。
  • 足の指を動かす運動
  • 足首を動かす運動
  • つま先立ち
  • 散歩

人工関節の手術後は足にむくみが残る場合がよくあるため、足の指や足首を動かす運動は積極的におこないましょう。ただ、動かし過ぎて痛みが強まってしまう場合はオーバーワークとなってしまい、かえって炎症反応を強めてしまうため注意が必要です。

もし痛みが強くなってしまったり熱感が強まった場合は、氷と水を袋に入れて術部を15分ほど冷やしてあげましょう。人工関節に負担がかからないよう、続けられるペースでセルフトレーニングをおこなうことがポイントです。

人工足関節置換術後の注意点と合併症

人工足関節置換術の直後にもっとも注意しておくべきことは、体重をかけないことです。手術した足への荷重はリハビリテーションで徐々におこなうため、移動する際はもちろん椅子に座っている際も足を床に降ろさないように注意しておきましょう。

またベッドで寝る際には、足を心臓よりも高い位置に上げておくことでむくみの増加を防ぐことができます。手術後の合併症として感染症に注意が必要なので、お風呂に入る際は足を濡らさないようにしましょう。

もちろん手術部は保護された状態であり、担当医や看護師が日々観察してくれるため炎症反応が強まった際などはすぐに報告しましょう。そして手術してから時間が経過した場合においても、注意しておかなければならないのが転倒です。

人工関節はセメントで固定するケースもあるため強固に固定されていますが、強い衝撃には弱いです。転倒によって人工関節がゆるんでしまったり、人工関節周囲の骨が骨折してしまう危険性があるので十分に注意しておきましょう。

まとめ

本記事では足関節を対象とした人工関節の特徴や注意点、そしてリハビリ内容についてご紹介しました。日本国内における人工足関節置換術の手術件数は、ほかの人工関節と比較すると決して多くはありませんが、痛みに悩む患者様は多く存在しています。

足関節を人工関節に換えることで痛みの緩和だけでなく足の形も改善されるため、歩行状態も大きく改善する可能性があります。しかし手術になると不安がともなうのは当然であるため、足関節に痛みがあって悩んでいる方は一度相談だけでも受けてみてはどうでしょうか。

人工関節置換術のご案内|康心会汐見台病院/神奈川県横浜市